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8月29日刊行『まるで天使のような』が研磨本だった……

ミステリ

 
マーガレット・ミラー『まるで天使のような』の新訳版が創元から出た。
地元の書店を何軒も回ったが売ってなくて、結局アマゾンで買うことになった。
 
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31日に注文したのが今日届いたが、本を見て驚いた。え、研磨本……!?
刊行日からわずか二日後に注文したのに、なぜこんなことになってしまうのか。
 
研磨本は新品ではなく古本だと思う。
新刊書店で研磨本を見るたび、出版社の意識の低さにうんざりさせられる。
文庫本もどんどん値上がりしているのに、いつまでこんな雑な扱いを続けるのだろうか。
アナログ盤のジャケットと同じく、紙の本には“モノ”としての魅力があるわけで、
それが分からない出版社の本は買いたくない。
 

帯の惹句がくだらない

 
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“最後の一撃”という表現がこれほどまでにふさわしい終幕は他にない―――

心臓を貫く驚愕の結末

 
どんでん返し偏愛者にはこういうのがあるんだから放っとけよ……。
 
最後に明かされる真相はそれほど意外ではないし、本作の売りはびっくり箱ではない。
宗教集団が暮らす塔と寂れた田舎町をまたにかけて繰り広げられる物語の、
奇妙で熱く、硬派で華やか、そんな複雑で豊かな空気が魅力的な作品なのだ。
 

人物名の違い

 
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原作 菊池光(早川) 黒原敏行(創元)
Sister Blessing of the Salvation (救済)祝福尼 救済の祝福の修道女
Sister Contrition 悔悟尼 悔悟の修道女
Sister glory of the Ascension 昇天栄光尼 栄光ある昇天の修道女
Brother Tongue of the Prophets 修士 預言者の舌の修道士
Brother Crown of Thorns 荊冠修士 荊の冠の修道士
Brother Behold the Vision 理想像実見修士 幻視を見る修道士
Brother Light of the Infinite 無窮光修士 無限の光の修道士
Brother of the Steady Heart 堅実心修士 堅実な心の修道士
Brother Faith of the Angels 天使信仰修士 天使の信仰の修道士

 
個人的には菊池訳の命名のほうが文芸味が感じられて好き。
黒原訳は途中から「救済の」「栄光ある」「預言者の」等は省略される。
カーマは菊池訳だと「因業果尼」、黒原訳は「業の修道女」。
あと黒原訳では主人公クインの肩書きが「アマチュアのギャンブラー」になっている。