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なぜ一般人はネット史を捏造するのか

テキストサイト

 

 
以前嘘のテキストサイト史を喧伝していたヨッピーが、また同じことを繰り返している。
とりあえずおかしな箇所を指摘しよう。
 

前述したYahoo!BBによるインターネットの普及率の底上げが何をもたらしたかと言うと、
荒っぽく言えばインターネットが「オタクのオモチャ」から「一般人のたしなみ」に変化した事だと僕は思う。

それまでのネットと言えば何事にもこだわる、マニアックで専門的で少し気難しいオタク層が主流を占めていた記憶があるのですが、インターネットの普及によってなだれ込んできた「一般人」がすごい勢いで幅をきかせはじめた。

 
2003年のYahooBBのモデム無料配布によるネットの普及がユーザーの一般化を後押ししたかのように
述べているが、これは明らかに嘘。
 
私が自分のPCを買ってネットを始めたのは98年だったが、当時はヤフー掲示板をよく見ていた。
野球やJリーグ、芸能人のゴシップなどのカテゴリが盛況で、大勢の人が書き込んでいた。
ようするに、90年代末期の時点でネットはすでに相当カジュアル化、一般化していたのだ。
 
その後2001年に火がついたテキストサイトブームは、まさに一般人らが作った現象であり、
当時すでに侍魂の健やヨッピーおよび彼らとセンスが合致する一般人らがネットで圧倒的な
マジョリティを形成していた事実を示す何よりの証拠だろう。
 

一般の人達は作るのにhtmlの知識を必要したテキストサイトより手軽にはじめられる新しいサービスである「ブログ」またはmixiをこぞってはじめたのである。

 
これも嘘。サイトを作るのにhtmlの知識は必要なかった。
私は2000年1月に自作曲のMIDIデータを公開するサイトを開設したが、
ホタルというホームページ作成ソフトを使っていた。
こうしたソフトを使えば、htmlやタグの知識が無くても見栄えのするサイトを作ることができた。
ソフトを買わなくても、ネット上に無料のホームページ作成ツールが公開されていたし、
ホームページビルダーがプリインストールされたPCもたくさん出ていた。
 

また、アメーバブログによる「芸能人ブログ」の登場がそういう「一般人」をインターネットの世界に引きずり込むのに一役買った。それまでは文章をコネてコネてコネくりまわして「日記」に仕立て上げていたテキストサイト育ちの僕からすると、「今日はランチで○○を食べました♪」なんていうプレーンな、毒にも薬にもならない文章がアップされ続けるブログやmixiといった文化に「これがコンテンツとして成立するのか……!」と衝撃を受けた事を覚えている。

 
いわゆる“一般人”というのは、ヨッピーのような人のことだろう。
クラスのお調子者や宴会部長、自称お笑い系のスポーツ選手、テレビやチャート音楽がネタ元な人、
若い頃に「チャオ!」が口癖だった人、アフロのヅラをはじめ様々な扮装、真顔や裸が持ちネタな人、
ワードセンスが「ヨッピー」「オレイズム」な人……
ニッチな文化を知らず、語彙もセンスも何もかもが大衆レベルな男スイーツのヨッピーこそが
まさしく“一般人”なのに、なぜ彼は自分を一般人と区別しているのだろうか。
「今日はランチで○○を食べました♪」などと書いているカジュアルなブロガーたちは、
まさにヨッピーと同じ種類の人々であり、実際テキストサイトの熱烈な支持者だったはずだ。
 
あと、普通の人が書いた普通の日記というのは、実は結構面白い。
2000年代の前半だったと思うが、某所で晒された、スーパーの総菜コーナーで働いている
若い女性の日記を読んでみた。コロッケなどの惣菜を作る過程や、新任の男性主任にはじめは
好印象を抱いたものの、次第に軋轢が生まれていく経緯などが、気取りのない口語体で書かれていた。
その日記を通じて、私は無名な人の日常生活を覗き見る楽しさを知った。
 
無名な人が、文芸を気取らない簡素な文で日常を綴ったブログには、独特の面白さがある。
一方、勘違いした凡人が文芸を頑張って自分を売り出そうとするテキストサイトのようなパターンが
一番つまらない。凡人がいくら言葉を捻ろうが、面白いものは生まれない。
 
 

面白いネット文芸に出会うには……

私がネットを始めた90年代末期から、面白い文章を書く人はたくさんいた。
当時の私は、日本のチャートに出ない邦洋ロックやゲーム音楽が好きで、作曲もしていた。
水生生物が好きだったし、海外ミステリを読んでいた。隠れ二次元オタクでCGサイトを巡回し、
同人界隈の話題もチェックするようになった。
そうして自分の趣味に沿ってネットを徘徊していると、各分野で面白い文章を見ることができた。
自分の中に文化があってこそ、面白い文芸に出会うことができるのだ。
 
趣味にせよジョークにせよ、目利きな人の豊かな含蓄が面白い文芸を生む。
面白いネット文芸は、侍魂の健やヨッピーのような一般人の目の届かないところで生まれている。
 
 

※追記:“一般人”について


曖昧な言い方になるが、私的にはヨッピー氏で笑えるような人が一般人。
あくまでセンスに基づく分類で、ネット環境の問題は含まない。
一般人は90年代末期の時点でたくさんいたと推測しているし、
テキストサイトブームの頃には圧倒的マジョリティになっていることが判明した、というのが私の見解。
 
テキストサイトを人気者にしていたのは一般人。
侍魂が当時バナー広告で月100万以上稼いでいたという話を聞いたことがあるが、
それだけのアクセスを稼ぐには、大勢の大衆レベルな人に受けるしかない。
 

ヨッピー氏へ

なぜ一般人はネット史を捏造するのか - 夏男ノート

一応「これは僕のインターネット史であって日本のインターネット史ではない」って文末に補足してあるんですけど、気に障ったならごめんなさい。

2015/09/10 01:57

テキストサイトを賛美する意見が不快で、つい熱くなってしまいましたが、個人攻撃が行き過ぎました。
申し訳ない。