リバーウォークのTジョイで鑑賞。
地元ロケ+曽我部恵一+工藤遥ってそりゃ見るよ。
パンフレットを買いたかったが、見終わったのが深夜0時近くで売店はすでに閉まっていた。
あとスクリーンの入り口に監督&キャストのサイン入りポスターの応募用紙があり、
せっかく記入したのに出し忘れてしまった。また見に行くか……。
内容は低予算邦画そのものだが、同時に一筋縄ではいかない雰囲気を感じた。
この雰囲気は、監督のバランス感覚から生まれているのではないか。
例えば、夫婦の下世話なやり取りの後で主人公が川沿いを歩く様子を少し長く映したり、
主人公が介護施設を辞去した後、背景のピンボケの中に介護士と入居者の様子をしばらく映したり。
そしてラストシーンでも、郷土映画にも関わらず背景(若松サンリブ?)をピンボケさせている。
情緒的な方面に傾き過ぎないよう、時おりフィクションの作為を目立つ形で出しているのだろうか。
先述のピンボケ演出も含めて、背景の妙味もある。
主人公が妻と娘に心情を吐露する場面で、床に座り込んだ主人公の左側に観葉植物が見えるが、
そうして背景に目が行くことで、やがて視線は皮肉にも結婚指輪にたどり着く。
また、終盤の喫茶店のシーンで、主人公の顔の横でランタン照明のオレンジの灯りが見え隠れする。
こうしたビビッドな背景が、艱難辛苦に憔悴した主人公と好対照を成して哀愁を増している。
シナリオや芝居や台詞も冴えており、二ノ宮監督の次作に期待せざるを得ない。
カンヌ国際映画祭ACID部門がどういうものなのか分からないが、海外の観客にもどうか響いてほしい。
エンドロールの曲は簡素なインストだったが、この映画には『まぶしい』『旧市街地から』『Sunny』『Popcorn Ballads』『曽我部恵一BAND』あたりも似合いそう。
追伸
黒崎には行かなくなった。
珍竹林黒崎店が閉店したし、大型書店クエストも黒崎メイトに移転したのちに閉店。
それでもまだ数件の古本屋が存続しているようだが、私は小倉駅で開催される本の市で済ませている。
その本の市も、たしか2020年の秋に足を運んだのが最後だったと思う。
今や私もメルカリ厨。
岩波ジュニア新書やその他の新書、秋元文庫やコバルトシリーズなどを中心に買い漁っている。
古本屋に行かなくなったのに、蔵書がどんどん増えていく……。
映画の中にシロヤが出てきたが、パンの話をしてた(サニーパンだっけ?)。
私にとってのシロヤは、小さいシュークリームとオムレット、そして四角いバウムクーヘンの
三種であり、それ以外のものを食べた記憶が無い(シュークリームは随分前に販売終了したらしい)。