ソフト/クワイエット

 
 
https://www.youtube.com/watch?v=YinAv840gv8
シネマトゥデイの本編映像でも確認できるが、序盤に見どころがあった。
 
幼稚園から出てきた主人公が子供と会って話すシーンで、
幼稚園の窓に二人の姿が映りこむのだが、ロングショットで実物の二人と窓に映る二人を
画面両端に置くことによって、窓の存在が意味深に見えてくる。
その後に掃除婦がカートの騒音とともに通りかかり、主人公が掃除婦に怒りの視線を向ける。
そうやって主人公に威嚇されても掃除婦は歯向かうことができないという残酷な状況だが、
一方で、掃除婦はもしかして、窓に映った主人公を横目で見たのでは……、と想像させられる。
主人公の優越意識に反して、主人公の動物的な威嚇と掃除婦のスマートな盗み見が比較され、
主人公の道化ぶりが際立つことになる。
 
この映画は明らかにロングショットが少ないから、幼稚園のシーンが記憶に残りやすい。
そうなるように作り手が観客を誘導しているとしたら、その知的な手法に感心するほかない。